イモビカッターとは、車のキーに与えられたIDと、車に搭載されたコンピュータのIDとが一致しないとエンジンがかからないイモビライザーのID情報をリセットさせて、別のキーのID情報をコンピュータに認識させエンジンをかけられるようにする装置です。
イモビライザーをカットする意味で2010年ころから現れた言葉ですが、なぜ、車の盗難を助長するような装置があるのか?イモビカッターの正しい使い方とは?などを含めて紹介します。
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イモビカッターの利用目的
イモビカッターは、鍵業者以外が所持していると警察に捕まる可能性があります。イモビカッターは鍵業者が、イモビライザー付きのクルマで鍵を紛失した際に使用する方法のひとつですが、鍵業者はイモビカッターを使用してのIDリセットやエンジンの始動は行っておりません。
イモビカッターを使用してエンジンを始動させれば、ID情報が書き換えられていますので、スペアキーがあったとしてもエンジンがかかりません。また、イモビカッターを取り付けたままになってしまうため、イモビカッターがお客様の手元に渡ります。
イモビカッターは、専ら自動車盗難目的で使用されていると考えて良いでしょう。
イモビカッターが自動車盗難に使われる
イモビライザーは自動車盗難防止のための画期的な装置でしたが、イモビカッターの登場により、簡単に盗まれてしまう被害が多発しました。
保険会社の対応
イモビライザーが普及し始めた当初は、盗難防止に役立つ、盗難による保険金の支払いが少なくなることから、イモビライザー割引を設けたりしておりました。現在は、イモビライザー割引はありません。
そのため、イモビライザー付き車両が、イモビカッターによって盗まれてしまっても、なぜ、イモビライザーが付いているのに盗まれるのか?との理由で、保険金の支払いを拒む保険会社もありました。現在は、被害届を警察に提出し、車両保険に盗難による被害が補償されている場合には、しっかり対応してもらえます。
盗難被害の多い車種は?
日本損害保険協会が発表している自動車盗難事故実態調査結果を見ると、2016年と2017年の調査で1位がトヨタプリウス、2018年の調査では1位がレクサスでプリウスは2位です。いずれもイモビライザーが装備されている車種です。
初期のイモビカッターで狙われたのは、二代目トヨタプリウスで20系といわれるモデルです。30系以降はイモビカッター対策済みです。イモビカッターは、特定の車種にのみ対応するものであり、プリウス限定でイモビカッターを用意すれば、プリウスばかりを狙った犯行が可能になります。
電気のみで走行可能なプリウスは、盗みに成功した後、静かにその場を立ち去ることが可能で、人気のハイブリッドカーは高値で売却が可能です。
トヨタハイエースも盗難被害が多い車種です。ハイエースは、東南アジアなど海外で高い人気があることから、盗みに成功した後は、海外に持ち出されてしまう傾向にあります。
イモビカッター対策が必要なクルマは、イモビカッターキラーなどを利用したり、少々面倒でも、ハンドルロックなどを使用することで、盗難のリスクを大幅に減らすことが可能です。
イモビカッター対策が必要な車種かどうか不安な方は、鍵業者に相談することで解決する場合があります。
参考:日本損害保険協会
窃盗団が簡単に入手できたイモビカッター
現在は、簡単に入手できないイモビカッターですが、以前はインターネットで販売されていたりしたため、クルマを盗みたい窃盗団の手に渡っていました。
プリウス狙い、ハイエース狙いなど、特定の車種にのみ対応するため、当時は集中して同一車種ばかりが狙われていました。窃盗団に狙われ、イモビカッターによりIDが書き換えられれば、1~2分の短時間でクルマが盗まれる被害がありました。
現在は、イモビカッター対策が施されたスマートキーが多く、狙われやすいのは、イモビカッターの対策が施されていない10年~15年前の車種になります。
リレーアタックに注意
現在は、スマートキーから常時出ている電波を悪用し、その電波を中継&増幅させ、狙ったクルマの元にいる仲間に電波を送り、ドアの開錠からエンジンの始動まで行うリレーアタックによる車両盗難に注意が必要です。
玄関に車の鍵があると、こっそり玄関に近づきリレーアタックによる盗難の被害にあう確率が高くなります。鍵を玄関に保管しない、玄関から離れた場所に保管することや、スマートキーからの電波を遮断または弱める対策が必要です